PR 更新日 : 2024.08.20

個人年金保険とはどんなものか 種類と選び方など

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個人年金保険とは「公的年金を補完する形で、老後の生活資金を準備する」ことが主な目的の保険商品です。任意加入で、民間の保険会社が提供しています。一定のあいだ保険料を積み立てて、一定の年齢になったら年金を受け取る形です。

個人年金保険の魅力は下記となっています。

・老後の生活資金を、強制的かつ計画的に貯められる
・一定の条件を満たせば所得控除になる
・健康状態に不安があっても申し込みしやすい※

この記事では、個人年金保険の種類、選び方、注意点など、個人年金保険の基本を解説するので参考にしてください。個人年金保険とその他の年金制度の違いも記載します。

※「もしもの場合に給付される死亡給付金は支払った保険料と同等の保障」「高度障害状態等になっても保険料免除はないことが一般的」というような商品の特性上、医師の診断や健康状態の告知がいらないことが多いためです。

個人年金保険とその他の年金制度の違い

年金には、主に「個人年金保険」「公的年金」「企業年金」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の4つがあります。主な違いは下記表をご確認ください。なお、個人年金保険は iDeCo と併用可能です。

個人年金保険 公的年金(国民年金、厚生年金) 企業年金 iDeCo
種類 民間の保険商品 国が運営する制度 企業が運営する制度 国が認めた金融機関が運営
加入義務 任意 義務(国民年金) 企業所属の場合に加入 任意
目的 老後の生活資金の補償 老後の生活の最低補償 従業員退職後の生活保障 自主的な資産形成
保険料 自ら負担 収入に応じて負担 企業と従業員が折半で負担 自ら負担
運用 保険会社 企業または外部委託 契約者自身
給付 一定金額/運用成果に基づく年金、一時金 老齢年金、障害年金、遺族年金など 企業年金規定に基づく年金 運用成果に基づく年金
税制 一部非課税の場合あり 所得控除対象となる場合あり 所得控除対象となる場合あり 運用益は非課税・拠出額は所得控除対象
メリット 自由設計可・死亡保証付もある 国運営で安定性が高い 企業独自の設計 運用で年金増加の機会・税制優遇
デメリット 高保険料の場合あり・運用成果は無保証 低給付額の場合あり 企業経営状況により給付額変更の可能性 運用リスクあり・手数料あり

個人年金保険の種類

個人年金保険の種類は「年金の受け取り方法」「保険料の運用方法」「保険料の支払い方法」などの点で分類されます。個人年金保険商品は、それぞれの要素を様々に組み合わせて設計されるため、自分に適した商品を見つけやすいと言えるでしょう。

年金の受け取り方による分類

終身年金

終身年金は、被保険者が生存している限りは一生涯、年金を受け取れるタイプの個人年金保険です。老後の安定した収入源として最も一般的なタイプと言えます。

確定年金

確定年金は、被保険者の生死に関わらず、契約時に定めた一定期間だけ、年金が受け取れるタイプの個人年金保険です。定めた期間が過ぎると年金の支払いは終了します。

有期年金

有期年金は、終身年金と確定年金の両方の特徴を併せ持つタイプの個人年金保険です。被保険者が生存している限りは一定期間の年金が保証され、その後は生存していれば年金を受け取れます。

保険料の運用方法による分類

定額年金

定額年金は、契約時に年金額が確定しているタイプの個人年金保険です。将来の年金額が確定しているため、計画的な老後資金の準備が可能となります。

変額年金

変額年金は、契約時には年金額が確定しない、運用成果によって年金額が変動するタイプの個人年金保険です。高利回りが期待できる一方、元本割れのリスクもあります。

保険料の支払い方による分類

全期払

全期払は、契約期間中、毎年一定額の保険料を支払うタイプの個人年金保険です。保険料の負担が比較的少ないのが特徴と言えます。

逓増払

逓増払は、保険料を毎年少しずつ増やしていくタイプの個人年金保険です。収入が増えるにつれて保険料負担を増やせるため、若いころから加入しやすいのが特徴と言えます。

逓減払

逓減払は、保険料を毎年少しずつ減らしていくタイプの個人年金保険です。収入が減る老後を見据えて、保険料負担を減らすことができます。

その他

夫婦年金

夫婦年金は、夫婦どちらかが生存している限り、年金を受け取れるタイプの個人年金保険です。

養老保険型個人年金保険

養老保険型個人年金保険は、万が一死亡した場合には死亡保険金を受け取れるタイプの個人年金保険です。

個人年金保険の選び方

自分に適した個人年金保険は、下記の2つのステップを踏むと、見つけやすいと言えます。

    【STEP1】
    自身がどのような「目的」「受取期間」「金額」「種類」の個人年金が必要なのかをよく考えましょう。自分に適した個人年金保険を選ぶには、まずは、自身のニーズを明確にすることが重要です。

・目的: 老後資金の準備、もしくは相続対策など、加入目的を明確にしましょう。
・受取期間:いつからいつまで年金を受け取りたいかを考えましょう。期間を設定することで、必要な保険料を計算できます。
・金額:毎月支払える保険料と、受け取りたい年金額を設定しましょう。保険料や年金額を設定することで、商品を選ぶ際の目安になります。
・種類:確定年金、変額年金など、上記で考えた自分のニーズに合う個人年金保険の種類を選びましょう。変額年金を選ぶかどうかは、個人のリスク許容度によって異なります。

    【STEP2】
    自身のニーズを満たす複数社の商品をいくつもピックアップし、「保障内容」「保険期間」「保険料」「特約」「付帯サービス」の内容について比較・検討しましょう。より自分の希望に沿った商品を選びやすくなります。

なお、検討時には、その商品を取り扱う保険会社の財務健全性や顧客サービスの質も考慮に入れるのが賢明です。

個人年金保険商品を選ぶときの情報収集の仕方

保険商品を選ぶときの情報収集には、保険会社の公式ウェブサイトや保険商品パンフレット、保険商品比較サイトなどが役に立ちます。 保険の代理店に行って話を聞くのもいいでしょう。代理店では、複数の商品を比較しながら、詳細な説明を受けられます。代理店によって取り扱う商品が異なる場合があるため、複数の代理店に相談するのがいいでしょう。 また、中立的な立場のファイナンシャルプランナーに相談するのも有効です。

その他、個人年金保険について知っておきたいこと・注意点

・個人年金保険を契約途中で解約する場合、解約返戻金が支払込保険料を下回る可能性があります。特に、契約初期の解約は損失が大きくなる傾向です。長期的な視点で契約し、途中で解約しないようにすることが重要と言えるでしょう。

・定額年金は、インフレリスクがあります。定額年金は契約時に受け取れる年金額が確定しているため、将来物価が上昇した場合(インフレ)に、受け取れる年金額の実質的な価値が減ってしまう可能性があるのです。つまり同額の年金で買えるものが少なくなってしまいます。変額個人年金保険のように、運用成果によって年金額が変動するタイプの商品を選ぶことで、インフレリスクを軽減できる可能性はあるでしょう。

・変額年金は、年金額が変動するリスク・元本が割れてしまうリスクがあります。変額個人年金保険は、運用成果によって年金額が変動する商品だからです。長期的な視点で投資を行い、リスク分散を図ることが重要と言えるでしょう。

・個人年金保険の保険料は。一定の要件を満たせば、所得控除により税負担を軽減可能です。ただし、控除額には上限があります。なお、税制上の優遇措置は、税制改正によって変更・廃止の可能性もないとは言えません。 税制改正の動向を注視し、必要に応じて専門家と相談しながら契約内容を見直すようにしましょう。

・個人年金保険は、契約内容によっては、相続を可能とする特約をつけることも可能です。特約をつけたい場合は、特約添付の可否を事前に問い合わせましょう。

著者 : 株式会社クヌギ

2009年設立。日本クレジット協会 準会員、全国消費生活相談員協会 企業賛助会員。

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