PR 更新日 : 2024.08.17

損害保険とはどんなものか 種類と選び方など

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損害保険は、予期せぬ事故や災害によって生じた損害を補償するための保険です。交通事故、火災、地震をはじめとする自然災害など、突発的に起こる様々なリスクに対応できるように多種多様な商品が用意されていて、物的損害・金銭的損害・損害賠償責任などをカバーします。

この記事では、損害保険の種類(個人向け・法人向け)、損害保険の選び方、注意点など、損害保険の基本を解説するので参考にしてください。

損害保険の特徴を概要的に知るために、まずは「保険の分野」を確認しよう

保険の特徴を概要的に知るために、まずは「保険の分野」について説明します。保険は、下記図のように「生命保険(第1分野)」「損害保険(第2分野)」「その他の保険(第3分野)」の、3分野に分けられています。

特徴 商品例
生命保険(第1分野) 加入者が死亡した時、もしくは契約時に決めた年齢まで生存した時に保険金が支給される 終身保険、定期保険、養老保険、個人年金保険
損害保険(第2分野) 予期せぬ事故や災害によって損害が生じた時に保険金が支給される 火災保険、地震保険、自動車保険
その他の保険(第3分野) 加入者が病気やケガをした時、もしくは介護状態になった時などに保険金が支給される 医療保険、傷害保険、がん保険、介護保険
それぞれの分野の商品を取り扱えるのは、「生命保険(第1分野)」は生命保険会社のみ、「損害保険(第2分野)」は損害保険会社のみです。「その他の保険(第3分野)」は生命保険会社でも損害保険会社でも取り扱えるものの、準備されている商品や補償内容には違いがあります。

保険金の支払い方式は、生命保険は、契約時に決めた一定金額の保険金が支払われる「定額払い方式」、損害保険は、契約時に決めた補償金額を上限にして損害額が支払われる「実損払い方式」であることが一般的です。

損害保険の種類(個人向け)

個人向けの損害保険の種類は様々ですが、代表的なのは、下記の4つです。

  • 火災保険
  • 地震保険
  • 自動車保険
  • 個人賠償保険

また、保険分類上は「その他保険(第3分野)」に分類されるものの、損害保険会社で多く取り扱われている下記2つの保険も併せて紹介します。

  • 傷害保険
  • 旅行・レジャーの保険

火災保険

火災保険は、家や家財が、火事で被害を受けたときの損害を補償するための保険です。落雷や風、水、雪、ひょう、破裂、爆発などによって受けた損害も、一般的にはカバーします。自宅の火災などによって近隣の住宅に損害が生じた場合の補償が含まれる場合もあるなど、商品によって内容は様々です。盗難、破損、汚損などによる損害を補償するオプションが付けられる場合もあります。

地震保険

地震保険は、家や家財が、地震と噴火で被害を受けたときの損害を補償するための保険です※。地震と噴火に起因する津波によって受けた損害もカバーします。

※地震と噴火は、火災保険では補償対象になりません。

自動車保険

自動車保険は、自動車事故による、搭乗者や第三者への賠償責任・車などの損害を補償するための保険です。おおまかに、 国が加入を義務付けている強制保険、任意で加入する任意保険の2つに分けられます。任意保険は、強制保険では補償しきれない範囲をカバーする内容です。

【強制保険(自賠責保険)】
自賠責保険 すべての自動車に加入が義務付けられている強制保険。自動車事故により、第三者の身体や生命に生じた損害を補償
【任意保険(自動車保険)】
車両保険 契約車両(自動車)に対して、事故・盗難などによって生じた損害を補償
対物賠償責任保険 自動車事故によって、第三者の所有物に生じた損害を補償
人身傷害保険 自動車事故によって、自分や同乗者に生じた身体傷害を補償
対人賠償責任保険 自動車事故によって、第三者の身体や生命に生じた損害を補償

個人賠償責任保険

個人賠償責任保険は、第三者の財物や身体に損害を生じさせて賠償責任を負った場合の損害を補償するための保険です。個人賠償責任保険の補償に、自身や家族がケガをした場合の補償を加えた「自転車保険」という保険商品もあります。

傷害保険

傷害保険は、突発的に起こったケガによって受けた損害を補償するための保険です。通院、入院、手術などをカバーし、一般的にはケガをしてから一定期間中の死亡や後遺障害が残った時も補償します。補償範囲は、24時間補償・特定の状況下のみ補償など、商品によって様々です。

旅行・レジャーの保険

国内旅行保険と海外旅行保険は、国内旅行中または海外旅行中のケガや病気、荷物の紛失、盗難、賠償事故などによって受けた損害を補償する保険です。海外旅行では、旅行保険は特に重要な役割を担っていて、高額な医療費や緊急渡航費用などをカバーしてくれます。

ゴルファー保険は、ゴルフのプレー中のケガや病気、賠償事故などによって受けた損害を補償する保険です。特に第三者をケガさせてしまったり物を壊したりするリスクに備えたい場合に役立ちます。

損害保険の種類(法人向け)

法人向けの損害保険の種類も様々です。大きくは、下記の3つに分けられます。

  • 企業財産にまつわる保険
  • 賠償責任にまつわる保険
  • 従業員にまつわる保険

企業財産にまるわる保険

企業財産にまるわる保険とは、地震や台風などの自然災害・火災・盗難・設備故障・事故などが原因で、オフィス・工場・設備・商品に受けた損害、店舗営業・工場操業・イベント開催ができなくて受けた損害(利益や家賃の損失)を補償する保険です。

賠償責任にまつわる保険

賠償責任にまつわる保険とは、事業活動中の思わぬ事故によって生じる賠償責任の損害を補償する保険です。

たとえば、製造・販売した家電が発火して住宅を燃やした場合は、製造物責任法(PL法)に対する賠償責任が生じます。工事現場で荷崩れを起こして通行人にケガをさせた場合は建設工事における賠償責任が発生するでしょう。賠償責任にまつわる保険は、それら賠償責任に対する損害をカバーします。

従業員にまつわる保険

従業員にまつわる保険とは、業務中に従業員が負ったケガの補償をする保険です。また、業務中の事故で従業員が亡くなった場合に遺族に対して補償をする保険や、下請け会社の従業員が負ったケガの補償をする保険などもあります。

損害保険の選び方

自分に適した損害保険は、下記の2つのステップを踏むと、見つけやすいと言えます。

    【STEP1】
    自身がどのようなリスクに備える必要があるのかをよく考えましょう。自分に適した損害保険を選ぶには、まずは、自身のニーズを明確にすることが重要です。

もしあなたがマイホームを購入するのであれば、住宅・家具・家電に損害を受けるリスクに備える必要があります。火災保険や地震保険が役立つでしょう。自動車をよく運転するのであれば、事故を起こした時に車両が壊れたり相手から損害賠償を請求されたりするリスクに備える必要があります。自動車保険や個人賠償責任保険が役立つでしょう。

    【STEP2】
    自身が備えるべきリスクを補償する複数社の商品をいくつもピックアップし、「保障内容」「保険期間」「保険料」「特約」「付帯サービス」の内容について比較・検討しましょう。より自分の希望に沿った商品を選びやすくなります。

    なお、検討時には、その商品を取り扱う保険会社の財務健全性や顧客サービスの質も考慮に入れるのが賢明です。

「補償内容」は、自身が必要な補償に絞るのがいいでしょう。余計な保険料の支払い負担がなくなります。たとえば、火災保険に加入する場合で、マイホームは丘の上にあり水害に遭うリスクがないと判断できるなら、水災補償を外すことで余計な保険料は払わずに必要な補償は受けられるようになるのです。

「保険料」は、保険会社によって計算方法や適用される割引が異なるので、複数の保険会社で見積もりを取って比較・検討するのがいいでしょう。WEB上での加入手続きで保険料が安くなる商品もあるので確認してください。

「特約」や「付帯サービス」は、保険会社ごとに内容が異なるため、内容を比較・検討しましょう。たとえば火災保険に付ける個人賠償責任特約の補償額は、保険会社ごとに異なります。また、自動車保険の付帯サービスにはロードサービスがありますが、サービス内容、サービス利用可能回数などは保険会社ごとに異なるのです。

保険商品を選ぶときの情報収集の仕方

保険商品を選ぶときの情報収集には、保険会社の公式ウェブサイトや保険商品パンフレット、保険商品比較サイトなどが役に立ちます。 保険の代理店に行って話を聞くのもいいでしょう。代理店では、複数の商品を比較しながら、詳細な説明を受けられます。代理店によって取り扱う商品が異なる場合があるため、複数の代理店に相談するのがいいでしょう。 また、中立的な立場のファイナンシャルプランナーに相談するのも有効です。

その他、損害保険について知っておきたいこと・注意点

・損害保険の保障内容は、自身を取り巻く環境の変化に合わせて、定期的に見直しましょう。マイカーを購入する、引っ越しをする、子どもが自転車に乗り始めるなどの度に、必要な保障は変わります。

・複数の損害保険に加入する場合は、重複する保障がないかを確認しましょう。重複を避けることによって、効率的な保障が可能となります。

・損害保険は、確定申告の際に確認と申請を行うと良いでしょう。税制面での優遇措置があります。

著者 : 株式会社クヌギ

2009年設立。日本クレジット協会 準会員、全国消費生活相談員協会 企業賛助会員。

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