PR 更新日 : 2024.09.18

お金の勉強の始め方 学習の内容や方法も解説

経済面の不安を感じているのであれば、お金の勉強をするのが得策です。

漠然と不安を感じているなら、お金について学ぶと、その不安を具体的な問題として捉えやすくなります。具体的な問題に対して不安を感じているなら、お金について学ぶと対策を講じれるようになり、不安の軽減を目指せるようになるでしょう。

この記事では、お金の勉強の、「学習分野」「始め方」「学習内容の決め方」「学習方法」を解説します。

お金の勉強における学習分野

お金の勉強をするなら、まずはお金の勉強における学習分野の概要に目を通して、自分はどの分野の知識を必要としているのか、どの分野に興味があるのかを考えると良いでしょう。お金の勉強は幅が広いため、適当に始めると、必要な知識に辿りつくまでに時間がかかる可能性があるためです。

お金に関する資格であるファイナンシャルプランナーの資格勉強では、お金の分野を下記の6つに分けています。生活視点から分けられていて分かりやすいので、これを参考にお金の勉強の分野を確認しましょう。

  • ライフプランニングと資金計画
  • リスク管理
  • タックスプランニング
  • 不動産
  • 金融資産運用
  • 相続・事業承継

ライフプランニング・資金計画

ライフプランニング・資金計画の分野では、お金の面から人生設計を考えます。結婚・マイホーム購入・子育て・退職後の生活など、人生の各段階でかかるお金を予想し、お金を準備する計画の立て方を身につけます。不測の事態に備える方法、生活に変化があった時に計画を見直す方法もこの分野の学習範囲です。

ライフプランニング・資金計画は、自分らしい生活を送るための経済的な土台を作る力が身につく分野と言えるでしょう。

なお、各年代で知っておくと良い課題や目標には違いがあります。自分の年代に必要な項目から学習を始めると、学習の成果を実際の生活に活かしやすいでしょう。

  • 20代:経済的な自立、将来への備え準備など
  • 30代・40代:マイホーム購入、子どもの教育費、老後に向けた資産づくりなど
  • 50代:リタイア後の暮らしにかかる資金プランの作成など

リスク管理

リスク管理の分野では、人生で起こりうる思わぬ出来事から、経済面で生活を守る方法を学びます。

学ぶ内容は、病気やケガ・災害・失業などの予期せぬ事態に備えてどんな保険に入るべきか、どれくらいの緊急用貯金が必要かなどです。投資をする際のリスクの抑え方や、借金をする時の注意点なども学びます。

リスク管理の知識を身につけることで、万が一のときでも慌てずに対応しやすくなるでしょう。リスク管理は「もしも」に備える力を養う分野と言えます。

タックスプランニング

タックスプランニングの分野では、私たちの生活に密接に関わる様々な税金について学びます。学ぶ内容は、所得税や消費税など普段からよく聞く税金の仕組みや計算方法、確定申告の仕方、使える控除の種類、節税の方法などです。また、副業や投資で得た収入にかかる税金についても学べます。

タックスプランニングの知識を学ぶことによって、自分の収入や支出に関わる税金をきちんと理解し、適切に処理できるようになるでしょう。タックスプランニングの分野は、お金を賢く管理するための基礎的な分野と言えます。

不動産

不動産の分野では、土地や建物に関する知識を学びます。学ぶ内容は、不動産の種類や特徴、評価方法、税金の仕組み、不動産投資の基礎などです。

これらの知識を学ぶことによって、住宅購入や、不動産投資による資産形成に役立つ知識が身につきます。不動産の分野は、購入も投資も含めて、不動産に興味がある人に適した分野です。

金融資産運用

金融資産運用の分野では、お金を増やすための様々な方法を学びます。学ぶ内容は、株式や投資信託のような様々な資産運用方法の種類、特徴、リスクなどです。長期的に資産を増やすコツや、分散投資の大切さ、複利の力、自分の目標や性格に合った運用方法も学習できます。

金融資産運用を学ぶと、ただお金を貯めるだけではなく、前向きにお金を増やすための知識を身につけられるでしょう。将来の経済的な安定や夢に近づくために役立てたい分野と言えます。

相続・事業継承

相続・事業継承の分野では、家族や親族から財産・事業を引き継ぐときに知っておきたいことを学びます。学ぶ内容は、誰がどのように相続するのか、相続税はどのくらいかかるのかなどの内容です。遺言書の書き方や、生前贈与の活用方法、相続トラブルを防ぐコツなども学びます。

これらの知識は、自分の親の相続を考えるときはもちろん、自分の財産を次の世代に引き継ぐ準備をするときにも役立ちます。大切な人との関係を守りながら、円滑に財産を引き継ぐために知っておきたい分野と言えるしょう。

お金の勉強の始め方

お金の勉強をする時には、まず始めに下記の2つを行いましょう。

  • 目的の設定
  • 学習内容の設定

目的の設定

お金の勉強をするときには、まず初めに目的の設定をしましょう。お金の勉強は幅がとても広く、目的を何に設定するかで学ぶ内容が大きく変わります。特に、金融商品を利用して資産運用をする場合は、目的ごとに資産運用の期間や取るべきリスクの大きさが異なってくるので、目標設定はとても重要です。

設定する目的の例は下記です。

  • 節税をする
  • 貯蓄をする
  • 近々購入する住宅の税金対策をする
  • 支出を減らす
  • 収入を増やす
  • 教育費を準備する
  • 老後の備えを蓄える
  • 人生でお金がどれくらいかかるのかをまず知る

学習内容の設定

お金の勉強の目的を設定したら、その目的を解決するために必要な情報が、上述した分野のうちどこに所属するのかを確認しましょう。その上で、その分野をあなたが学習する内容として設定しましょう。目的達成に必要な情報が属する分野を学ぶと、目的達成に役立つ知識を体系的に習得できます。

たとえば目的が「節税」であれば、分野は「タックスプランニング」になります。「タックスプランニング」の分野では、自分が使える税制優遇を知ることができ、税金控除の方法や確定申告の方法なども学べるでしょう。

目的ごとに、その内容が属する分野の例を紹介します。

目的 分野(学ぶ内容)の例
節税・支出削減 タックスプランニングの分野(自分が使える税制優遇・控除の方法・確定申告方法など)
貯蓄・収入増加 金融資金運用の分野(マーケット・金融商品・金融商品にかかる税金など)
近々購入する住宅の税金対策 不動産の分野(不動産の取引など)、タックスプランニングの分野(住宅ローンの税制優遇など)
教育費の準備 金融資産運用の分野(金融商品など)、リスク管理の分野(学資保険など)
相続への備え 相続・事業継承の分野(贈与や相続と法律・贈与や相続と税金・それらの手続きなど)
老後資金の準備 リスク管理の分野(年金や退職金の見込額の確認)、金融資産運用の分野(金融商品など)
人生にかかるお金を知る ライフプランニングの分野(経済面での人生設計をする方法、自分の年代に対策すると良い内容など)

お金の勉強方法

自分が勉強すると良いお金の勉強内容が分かったら、さっそく学習を始めましょう。

お金の勉強をする方法は、「まずは知識をインプット」、「ある程度知識のインプットができたら、その知識を使ってお金の不安を解消するための方策を実践する」の2ステップを踏みます。お金に関する知識を得るだけでは経済面の不安はできませんが、適切な知識を得た上で方策を実践すると、経済面の不安解消への道筋が見えやすくなるからです。

知識をインプットする

お金の知識をインプットする方法には、本、インターネット、セミナー、お金に関する資格取得の勉強などが挙げられます。知識を素早く身につけるために、自分がやりやすい方法を選びましょう。

お金の知識をインプットしたいなら、まずは本を選択してみるといいでしょう。一定の量の知識がまとまって掲載されているので体系的に学びやすく、また、隙間時間にも学びやすい方法です。

薄めの入門書から、厚手の専門書まで、様々な本があります。初心者は薄めの入門書や読みやすい漫画スタイルの参考書から始めて、徐々に専門書に進むのがいいでしょう。最初から分厚い専門書を選ぶと挫折する危険性があります。

インターネット

お金の知識をインプットしたいなら、インターネットも良い選択肢です。スマホやタブレットがあればすぐ閲覧でき、動画は文字を読むのが億劫なときにも役立つでしょう。

WEB上には、無料でお金の勉強ができるサイトがたくさんあります。基礎から応用まで、様々なレベルの情報があるので、自分に合ったものを選びましょう。Youtubeで専門家のチャンネル登録をしたり、SNSで専門家のつぶやきをフォローするのも、最新情報をキャッチするのに役立ちます。

なお、WEB上には不正確な情報が掲載されていることがあるため注意しましょう。WEB上にある情報を勉強に利用する時には、信頼できる発信者の情報を選んでください。金融機関の公式サイトや公的機関である金融広報中央委員会運営の「知るポルト」などは一度覗いてみるといいでしょう。

セミナー

お金の知識をインプットしたいなら、銀行や証券会社が開催する無料セミナーに参加するという方法もあります。専門家が分かりやすく説明してくれることや、セミナーによっては専門家に質問できることが利点です。最新の情報も得られるので、知識をアップデートするのにも役立ちます。オンラインセミナーなら、自宅から気軽に参加できるでしょう。

体系的に学びたくて、時間や費用もかけれるのであれば、単発のセミナーではなく、複数回のセミナーや通信教育を選択する方法もあります。必要に応じて選びましょう。

お金の資格取得の勉強

お金の知識をインプットしたいなら、お金に関する資格の勉強をするのも効果的です。体系的に学べるので、幅広い知識が身につきます。テキストを読んだり、問題を解いたりすることで、理解は深まるでしょう。資格を取得すれば自信にもつながり、キャリアアップに役立てることも可能です。

お金に関する資格 学ぶ内容
ファイナンシャルプランナー(FP) ファイナンシャルプランナーとは、ライフプランニング・金融商品のアドバイスを行うことに特化した、専門的な資格です。お金に関する幅広い分野を体系的に学習するのに役立ちます。
証券外務員 証券外務員とは、金融商品の販売に必要な資格です。資産運用について体系的に学習するのに役立ちます。学習項目は、たとえば、株式や投資信託の仕組みなどです。
DCプランナー(企業年金総合プランナー) DCプランナーとは、年金・退職金制度の専門家になるための資格です。年金制度全般の知識を学習するのに役立ちます。学習項目は、たとえば、確定拠出年金などです。
簿記 簿記とは、取引の内容や流れを簿記のルールに基づいて記帳する作業についての資格です。財務系の書類を自ら作成するのに役立ちます。資産運用する時にも役立つでしょう。学習内容は、たとえば、青色申告書類の作成、財務諸表の作成などです。

お金の不安を解消するための施策を実践する

お金に関する知識をある程度インプットできたら、勉強は続けつつも、経済面の不安を解消するための施策をいくつか実践してみましょう。まず最初に試してみると良い施策をいくつか紹介します。

家計の収支バランスをとる

お金に関する知識をある程度インプットできたら、家計の収支バランスをとる施策を行なってみましょう。経済面の不安を解消するための基本は、家計の収支バランスをとることだからです。家計の収支バランスが整ってないと、たとえば資産運用のような経済的な余裕を生みだすための施策を実行することが難しくなります。

まずは家計簿をつけて、お金の出入りを把握しましょう。毎日の支出を細かくチェックすることで、無駄遣いに気づきやすくなります。節約できるところは支出を削ると、収支のバランスを取りやすいです。収支バランスの取り方はこちらの記事の「収支バランスをとる方法」の章をご参照ください。

経済面でのライフプランを作成する

お金に関する知識をある程度インプットできたら、経済面でのライフプランを作ってみましょう。経済面の不安を解消するためには、自分が人生でどれくらいのお金を必要としているのかを、早めのタイミングで知ることが役に立つからです。いつまでにいくら必要なのかが分かれば、資金準備の行動を起こしやすくなるでしょう。

経済面でのライフプランを作るときには、将来の夢や目標に基づいて、結婚、マイホーム購入、子育て、老後の生活など、ライフイベントごとにかかるお金を大まかに計算します。金額が出たら、いつまでにいくらの蓄えがあればいいのか、そのタイミングまでにあと何年あるのか、その期間で指定金額を蓄えるにはどの方法が適しているのか、というような流れで考えていきましょう。

資産運用の開始

お金に関する知識をある程度インプットできたら、資産運用を開始してみましょう。実際に金融商品を利用してお金を動かすと、市場の動きを肌で感じられて投資の仕組みがよりよく分かるようになり、次の投資に活かせる力が付きます。

資産運用の知識が少ない最初のうちは特に、投資信託など、専門家が投資判断をしてくれる金融商品を選んで投資してみるといいでしょう。1万円程度などの少額から始めると、たとえ失敗してもダメージを受けにくいです。失敗も含めて、身に付く実践の勉強になることでしょう。

著者 : 株式会社クヌギ

2009年設立。日本クレジット協会 準会員、全国消費生活相談員協会 企業賛助会員。

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