PR 更新日 : 2024.08.07
ブラックリストが消えるまでの期間(ブラックリストの信用回復期間)
ブラックリストに登録される期間は、5年~7年です。登録期間は、ブラックリストに登録された原因・登録される個人信用情報機関によって、異なります。
また、ブラックリストに自分が起こした金融事故が登録されているかどうかや、いつから登録されているのかを知りたい場合は、それらを確かめる方法があります。
この記事では、「ブラックリスト登録期間(ブラックリストに登録された原因別・登録される個人信用情報機関別)」「ブラックリストの登録有無・登録開始時期の確認方法」、加えて「ブラックリスト登録期間中に受ける影響」なども解説するので、参考にしてください。
ブラックリストは、個人信用情報機関が保存する金融事故情報などのリスト
一般的にブラックリストと言われるのは、個人信用情報機関が保存する金融事故情報(異動情報)などのリストのことです。日本には3つの個人信用情報機関があり、それぞれが独自の異動情報を保管し、また、お互いに情報共有を行っています。
株式会社シーアイシー(CIC)
CICは、クレジットカード会社が多く加盟する個人信用情報機関です。CICは指定個人信用情報機関に指定されています。
株式会社日本信用情報機構(JICC)
JICCは、消費者金融カードローンなどの賃金業者が多く加盟する個人信用情報機関です。CICと同様、指定個人信用情報機関に指定されています。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
KSCは、全国銀行協会が運営する個人信用情報機関です。主に銀行が、また、一部のクレジットカード会社も加盟しています。
ブラックリスト登録期間中に受ける影響
ブラックリスト登録期間中は、キャッシング(無担保融資)や自動車ローン、住宅ローン、クレジットカードなどの金融商品の審査に通過するのが難しくなります。
金融商品の審査時には、申込者の返済能力が重要視されます。審査時にはブラックリストの確認が必ず行われ、ブラックリスト登録者の返済能力は低いと判断されるのです。
ブラックリストに登録される原因・登録期間
【ブラックリストに登録される原因】
- 延滞(クレジットカード・カードローン・携帯電話本体代金などの返済)
- クレジットカードの強制解約
- 債務整理(自己破産・任意整理・特定調停・個人再生)
- 代位弁済(保証会社の代理返済)
【ブラックリスト登録期間(原因別・個人信用情報機関別)】
ブラックリスト登録の原因 | CIC(シー・アイ・シー) | JICC(日本信用情報機構) | KSC(全国銀行個人信用情報センター) |
---|---|---|---|
延滞(61日以上) | 5年 | 1年 | 5年 |
延滞(3か月以上連続) | 5年 | 5年 | 5年 |
強制解約 | 記載なし | 5年 | 5年 |
任意整理・特定調停・個人再生 | 5年 | 5年 | 5年※個人再生のみ、5年または7年 |
自己破産 | 5年 | 5年 | 7年 |
代位弁済 | 記載なし | 5年 | 5年 |
※表中の年数はすべて最長です。
※2022年11月4日より、KSCの個人再生・自己破産などの情報の登録期間は、10年から7年に変更されました。
金融事故情報(異動情報)は、原則として5年~7年すれば、個人信用情報機関から削除されます。自己破産のみ、最長7年間保管されます。ポイントは、登録が消えるまでの期間は、債務を完済できた日から数えるということです。つまり、返済が終わらなければ、ブラックリストから登録が消えることはありません。
返済延滞のブラック登録期間
「61日以上の長期延滞」をした場合は、金額が1円などの少額であっても、金融事故者(ブラックリスト入り)とみなされます。返済延滞でのブラックリスト登録期間は、最長5年間です。
携帯電話本体代金の返済延滞のブラック登録期間
au、docomo、Softbankなどのキャリアに関わらず、携帯電話本体代金を61日以上延滞した場合には、金融事故情報(異動情報)がCICとJICCなどの個人信用情報機関に記録されます。携帯電話本体代金に関する延滞での登録期間は、最長5年間です。
なお、携帯電話本体の分割払いは割賦契約という契約方式のため、長期延滞は異動事故情報として記録されます。携帯電話の基本料金は割賦契約ではないため、延滞したとしても信用情報に傷はつきません。
クレジットカード強制解約のブラック登録期間
クレジットカードの返済を2〜3ヶ月など長期延滞すると、クレジットカードは強制解約(利用停止)される可能性が高いです。強制解約されれば、金融事故情報(異動情報)として信用情報に記録されます。クレジットカードに関わる異動情報は、返済トラブルによる強制解約と判断されることが一般的です。
債務整理のブラック登録期間
債務整理(自己破産・任意整理・特定調停・個人再生)の手続きを行った場合、その情報が、個人信用情報機関に登録されます。自己破産情報の記録期間は「CICとJICCが最長5年間」「KSCが最長7年間」です。KSCでは、代位弁済(保証会社から支払い)が行われた場合のみ登録されます。
なお、自己破産と個人再生をした人は、個人信用情報機関に加えて、官報にも自己破産や個人再生をした情報が記録されますインターネット上の官報は掲載期間が30日です。
こんな場合はブラックリストには登録されていない
返済日から61日以内に返済を行った場合は、ブラックリストに登録されてない可能性が高いです。延滞した回数など金融会社の定める条件にもよりますが、今後の金融商品の審査に影響を与える可能性も低いです。必要に応じて、個人信用情報機関に登録の有無を確認しましょう。
また、2010年には、「過払い金返還請求は金融事故ではない」と法律により定められました。そのため、過払い金返還請求をしてもブラックリストには記録されません。しかしながら、社内ブラックとして会社側に記録される可能性は高いため、過払い金請求をした金融機関と再度契約するのは困難です。
申し込みブラックについて:
申し込みブラックとは、短期間のうちに複数の金融商品に申し込んだことにより「申込情報」がいくつも記録されて、審査に通りにくくなることです。申込情報は金融事故情報(異動情報)とは異なりますが、短期間での複数の申込履歴が「入会特典目当てに申し込みしている人」「お金に困っている人」などのネガティブな印象を与えるため、審査に通りにくくなります。申し込みブラックが金融商品の審査に通りにくい期間は6か月間です。
ブラックリスト登録の確認方法
ブラックリストに登録があるかどうか、どんな内容の登録なのか、いつから登録があるのかを知りたい場合、個人信用情報機関に「信用情報の開示申請」をすることにより、自身の登録状況を調べられます。
信用情報の開示申請は、CICやJICCの公式サイトにアクセスし、窓口や郵送、インターネットを利用して確認可能です。窓口やインターネットを利用すれば、500〜1,000円ほどの手数料で、すぐに自身の信用情報を確認できます。ただし、全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、登録情報開示申込書を郵送しなければ自身の信用情報を開示できないため注意してください。
ブラックリストについての予備知識
ブラックリストの履歴は自ら消すことができない
インターネット上には、「ブラック情報を消す裏技」といった情報が出回っていますが、個人信用情報機関に登録された情報を自ら消す方法は存在しません。削除できるのは、誤った情報が登録されてしまった場合のみです。CICの公式サイトにも、「登録内容が事実であれば、訂正・削除することはできません」と明記されています。
ブラックリストの時効は事実上は発生しない
実は、ブラックリストには時効があります。借金は5年以上返済を行わなければ時効となり、その時効を主張(時効援用)することによって借金の返済義務はなくなり、ブラックリストからも外れることになるのです。
ただし、長期間支払いに応じなかった場合には、金融機関から訴訟を起こされるため、5年以上返済を行わないというのは事実上は不可能でしょう。そのため、ブラックリストの時効は事実上は発生しないと言えます。
ブラックリスト期間を過ぎて金融商品の利用を検討するときの注意点
ブラックリスト登録がなくなり、他に借入や延滞がなく、安定継続した収入がある場合には、「金融商品の審査に通過の可能性がある状態」になり得ます。ただし、クレジットカードの審査については、通過しにくい状態が続くでしょう。個人信用情報機関から金融事故情報(異動情報)が消えた直後は5〜7年間分のクレジットカード利用履歴がない状態で、過去の利用履歴がない場合、クレジットカードの審査では信用力が低いと判断されることがあるのです。
そのため、ブラックリスト期間を過ぎた後にクレジットカードを発行したい人は、たとえば消費者金融系クレジットカードなど、過去の利用履歴よりも現在の返済能力を重視するカード商品を検討しましょう。現在の返済能力を重視するカード商品なら発行も可能であり、また、発行することができれば利用実績を積めるようになって、結果として自身の信用力の回復にもつながります。
なお、ブラックリストに登録がなくなれば、金融機関は新規申込者がブラックリスト入りしていた事実が分からなくなるため、「金融商品の審査に通過できる状態になる可能性がある」と言えるでしょう。
ただし、「社内ブラック(それぞれの金融機関が独自に作成するブラックリスト)」にも金融事故情報(異動情報)が登録された場合には、リストから削除されない限りは、その会社やグループ会社の金融商品の審査には通過できなくなります。社内ブラックへの登録基準や削除期間はそれぞれの企業が決めていて公表もされていません。